今月の臨床 婦人科内分泌療法─病態の理解と正しい診断に基づく対処・治療のポイント
思春期
3.月経不順
深澤 宏子
1
,
平田 修司
1
1山梨大学大学院医学工学総合研究部臨床医学系産婦人科
pp.318-321
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102609
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1 概 念
月経とは「通常,約1か月の間隔で起こり,限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的出血」と日本産科婦人科学会用語集では定義されている1).月経異常には満18歳になっても初経が起こらない原発性無月経や,それまであった月経が,3か月以上来なくなった続発性無月経と,周期の異常である月経不順,量の異常である過多月経・過少月経,随伴症状のある月経困難症などが含まれる.月経周期の正常範囲は25~38日であり,月経不順はこの周期の異常をいう.月経周期の日数により頻発月経,希発月経,不整周期月経に分類される(表1).
日本産科婦人科学会による思春期の定義は「性機能の発現,すなわち乳房発達,陰毛発生などの二次性徴出現に始まり,初経を経て,二次性徴の完成と月経周期がほぼ順調になるまでの期間」としている.初経発来の平均年齢は12.4歳であり,98%は15歳までに月経が始まる.しかしながら,初経発来後の1年~3年は月経周期が不順なことが多い.
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