症例
Giant umbilical cordの1例
林 和俊
1
,
永井 立平
1
,
木下 宏実
1
,
小松 淳子
1
,
海老沢 桂子
1
,
松本 光弘
1
,
南 晋
1
,
竹内 悟
1
,
佐々木 潔
2
,
薄井 桂子
2
,
金澤 亜錦
3
,
高橋 章仁
3
,
所谷 知穂
3
,
吉川 清志
3
,
田村 成一郎
4
1高知県・高知市病院企業団立高知医療センター産婦人科
2高知県・高知市病院企業団立高知医療センター小児外科
3高知県・高知市病院企業団立高知医療センター新生児科
4田村産婦人科
pp.1340-1343
発行日 2010年9月10日
Published Date 2010/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102469
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Giant umbilical cordは尿膜管開存症に伴って発症するきわめて稀な臍帯異常である.
25歳,初産婦.妊娠25週1日,臍帯嚢胞のため,前医より胎児精査の目的で紹介受診した.胎児腹部から出てまもなくの臍帯に直径27 mmの嚢胞を認める.羊水染色体検査は正常核型.妊娠30週ごろから臍帯浮腫が著明にみられるようになった.妊娠36週には臍帯直径は4.6 cmにもなったため分娩誘発とした.分娩経過中,variable decelerationが頻発したため,緊急帝王切開により男児を出産した.生後精査により尿膜管開存症と確定診断した.
臍帯嚢胞に遭遇することは非常に稀で,染色体異常や先天奇形の合併に注意する必要があるが,giant umbilical cordを呈してくるケースは尿膜管開存症の可能性が高い.その場合は,小児外科医と連携しながら慎重に分娩方法を選択し,生児は適切な外科的処置を受ける必要がある.
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