今月の臨床 ここが問題─若年女性のやせ・肥満
若年女性のやせ・肥満と生殖機能異常
2.若年女性のやせと骨粗鬆症
甲村 弘子
1
1大阪樟蔭女子大学大学院人間科学研究科人間栄養学専攻
pp.1275-1279
発行日 2010年9月10日
Published Date 2010/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102458
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骨粗鬆症
1. 骨粗鬆症とは
骨粗鬆症とは,「骨強度の低下を特徴とし,骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患」と定義されている.骨強度は骨密度と骨質の2つの要因からなり,70%が骨密度に依存し,残りの30%は骨の微細構造や弾性などの骨質によるとされる.すなわち,従来の骨密度を中心とした考え方から,年齢,既存骨折の存在,骨代謝回転の増加など,骨折の発生にかかわる危険因子全体を含めて考えるようになった1).
わが国では,人口の急速な高齢化に伴い骨粗鬆症の患者が年々増加しつつあり,その数は現時点で1,100万人と推測されている.骨粗鬆症では椎体,前腕骨,大腿骨頸部などの骨折が生じやすく,そのための対策が重要な課題となっている.
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