臨床経験
当院で経験したHELLP症候群とpartial-HELLP症候群の後方視的検討
下村 貴子
1
,
芥川 修
1
,
平岩 芙美子
1
,
岩佐 朋美
1
,
金 成一
1
,
井坂 惠一
1
1東京医科大学産科婦人科学教室
pp.1041-1045
発行日 2010年6月10日
Published Date 2010/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102418
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HELLP症候群は溶血,肝酵素上昇,血小板減少を主徴とする血液検査をもとにした疾患群をいい,適切な診断,管理がなされないと母児ともに予後不良となる疾患である.血小板減少いわゆるgestational trombocytopeniaが先行することが多いが,その病態はいまだ明らかにされていない.
そこで今回われわれは,当院で経験した分娩症例のうち,Sibaiの基準をすべて満たしたHELLP症候群とHELLP症候群の疑いにて早期対応しterminationに至った症例について,後方視的に検討した.
その結果,HELLP症候群と診断してからterminationを決定した場合と,確定診断には至らずともHELLP症候群の疑いにて早期診断しterminationに至った症例を比較すると,後者のほうが母児ともに予後がよいことがわかった.
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