今月の臨床 これを読めばすべてわかる―最新の産婦人科超音波診断
IV 産科における超音波診断─妊娠中・後期
[胎児の正常超音波像と形態異常]
4.腹部の超音波像─肝臓・脾臓・消化管など
林 聡
1
,
左合 治彦
1
1国立成育医療センター周産期診療部胎児診療科
pp.599-603
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102344
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胎児の超音波検査を行ううえで最も基本的で重要なポイントは,正常胎児の解剖を熟知し,その超音波画像を描出できるか否かである.当センターでは妊婦に対する胎児超音波スクリーニング検査を20週と30週に実施しており,スクリーニング検査において描出されるべき標準画像を12画像と定めている.その標準12画像の描出が困難である場合は胎児形態異常を疑い,さらに胎児精査を行っている1).これらの標準12画像を用いることにより,ほとんどの胎児形態異常のスクリーニングが可能であり胎児診断も容易になる.この稿では胎児腹部について主な消化器系の胎児疾患を例示し,その超音波像について述べる.
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