今月の臨床 母体救命搬送
【救急搬送のタイミングと応急処置】
2.妊産褥婦に合併した救急疾患
2)急性心不全
神谷 千津子
1
,
池田 智明
1
,
野々木 宏
2
1国立循環器病センター周産期治療科
2国立循環器病センター心臓血管内科
pp.38-42
発行日 2010年1月10日
Published Date 2010/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102253
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はじめに
海外からの報告によると,三次医療機関において肺浮腫を合併する妊婦は,500~1,000分娩に1例である.そのなかでも,心機能の低下による心原性心不全は約1/4程度であり,日常診療のなかで妊婦の急性心不全を診察することは,それほど多くないと思われる.しかし,診断治療が遅れると致死的にもなるため,すべての妊婦において,当初から病歴聴取をしっかりと行い,息切れ,浮腫,咳などの訴えがあった場合には,鑑別診断として心不全も念頭に置き,診療を行っていく必要がある.
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