連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・44
術前に卵巣腫瘍が疑われた大網脂肪腫の1例
中曽 加珠美
1
,
栗田 卓
1
,
浦 りえ
1
,
竹本 由美
1
,
竹本 周二
1
,
森田 淑生
1
,
島松 一秀
2
1大牟田市立総合病院産婦人科
2大牟田市立総合病院病理検査科
pp.863-866
発行日 2009年6月10日
Published Date 2009/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102123
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症 例
患者 9歳,女児
主訴 腹痛,発熱
現病歴
1か月前より腹部の違和感が出現するも放置していた.腹痛および発熱が2日間持続したため近医内科を受診.抗生剤の内服加療を開始したが,腹痛が増強したため翌日当院小児科を紹介受診した.腹部CT検査で腹腔内腫瘤を指摘され,精査目的に当科紹介受診となった.
既往歴
特記事項なし.初経未発来.
家族歴
特記事項なし.
理学所見
身長130 cm,体重28.4 kg,血圧104/55 mmHg,脈拍99回/分,体温37.0℃.咽頭発赤は認めず,呼吸音,心音ともに異常は認めなかった.臍部~下腹部正中にかけて膨隆を認め,腸蠕動音は減弱していた.腹部全体に自発痛・圧痛を認め,筋性防御は認めないものの反跳痛を認めた.
検査所見
炎症反応の上昇を認める以外に異常所見は認めなかった(表1).
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