今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス
III 不育症の検査・診断 C子宮因子
【子宮奇形】
95.中隔子宮と双角子宮の鑑別診断法について教えてください.
宮川 智幸
1
1宮川医院産婦人科
pp.632-633
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102084
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子宮奇形が本当に不育症の原因になっているかどうかを診断することは,必ずしも容易ではない.正常な経産婦における子宮奇形の頻度は明らかではないが,不育症の患者での子宮奇形の頻度は9.0%と報告されている1).不育症患者で見つかる子宮奇形のうち,中隔子宮が最も多く,双角子宮はむしろ珍しいといえる.
中隔子宮(septate uterus)とは,子宮の外観は正常で,通常の子宮と変わらないが,線維性の隔壁で隔てられた2つの子宮内腔をもつものをいう.中隔が内子宮口まで達して,子宮内腔を完全に2つに隔てている完全型(complete,図1a),内腔の一部のみ中隔で隔てられている部分型(partial,図1b)に分けられる2).
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