連載 Estrogen Series・85
先進諸国にみる最近の乳癌発生数の減少はホルモン補充療法の減少によるものである
矢沢 珪二郎
1
1ハワイ大学
pp.282-283
発行日 2009年3月10日
Published Date 2009/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101986
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最近のLancet誌からエストロゲン補充療法の減少と乳癌発生の減少とを関連づけたコメントをご紹介したい.この著者はノルウェーでの研究調査によるデータを基としている1).乳癌は女性の癌の23%を占める重要な癌である.乳癌発生の最大のリスク要因はエストロゲンやプロゲステロンの性ホルモンで,そのホルモンは内因性の場合もあり,HRTのような外因性の場合もある.
オーストラリアの研究者はホルモン補充療法(HRT)と乳癌発生頻度との関連を発表している2).オーストラリアでは2001年以降HRT使用頻度が減少し,それにともなって乳癌発生の減少がみられた.この関連は50歳以上のグループに限られ,50歳以下の女性にはこのような関連はみられなかった2).これと同様の報告は米国,ニュージーランド,カナダ,ドイツ,フランスからも発表されている.
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