今月の臨床 妊産婦の薬物療法―あなたの処方は間違っていませんか
【よく使われる薬剤と処方の実際】
10.甲状腺治療薬
網野 信行
1
1医療法人神甲会隈病院
pp.1214-1219
発行日 2008年9月10日
Published Date 2008/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101861
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はじめに
甲状腺疾患はバセドウ病および橋本病も含め頻度の高い病気である.しかも女性が男性に比して5~15倍も多く,妊娠可能域の女性にしばしば合併するので,妊娠時での適切な対処が日常診療でも必要となる.また正常妊娠でも妊娠初期に生理的な甲状腺中毒症が高頻度にみられ,バセドウ病甲状腺機能亢進症と慎重に鑑別しなければならない.最近,軽症甲状腺機能異常症でも積極的な治療介入により,その後の経過が順調にいくことが注目されている.本稿では妊娠時の甲状腺機能亢進症および低下症の治療について最新の知見も入れて解説する.さらに,妊娠時の甲状腺疾患管理に関する国際ガイドラインも合わせて紹介する.
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