今月の主題 甲状腺疾患—up-to-date
鼎談
甲状腺疾患の臨床
網野 信行
1
,
伊藤 國彦
2
,
尾形 悦郎
3
1大阪大学医学部臨床検査診断学
2伊藤病院
3東京大学医学部・第4内科
pp.470-481
発行日 1987年3月10日
Published Date 1987/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220861
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尾形(司会) 今日はお忙しいところをお集まりいただきましてありがとうございます.甲状腺の病気はそれぞれ重なりはあると思うのですが,大きく3つにくくれるかと思います.1つは,甲状腺からは甲状腺ホルモンという生命の維持に大切なホルモンが分泌されており,分泌が多すぎても,少なすぎても異常が起きます.こういう意味での甲状腺の機能の異常というのが1つの塊かと思います.2つ目は,甲状腺はいろいろな病理変化の場であり,いわゆる炎症としてくくられるものがあるかと思います.3番目は,病理変化としてとくに大事な腫瘍,とくに悪性腫瘍が問題になるかと思います.今日はその3つのジャンルについて先生方のご意見をお伺いしたいと思います.
甲状腺の病気として,その3つのうちのどれかがきっかけになって私どものところに来るのだろうと思うのですが,まず最初にその機能の異常で,一般の先生方のところに直接来ることは,あるいは少なかろうと思いますが,臨床医としてこの患者は甲状腺の機能に異常があるか,亢進があるか,あるいは低下なのか,そういうことを思いつくきっかけとして,アドバイスいただけることがありましたらお話しいただきたいと思います.
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