今月の臨床 産婦人科臨床の難題を解く─私はこうしている
II 不妊治療
【一般不妊治療】
6.薄い子宮内膜を発育させるには?
岡田 英孝
1,2
,
小野 淑子
1,2
,
神崎 秀陽
1,2
1関西医科大学産科学婦人科学
2関西医科大学附属枚方病院生殖医療センター
pp.469-473
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101729
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1 はじめに
近年,体外受精胚移植法(in vitro fertilization-embryo transfer : IVF-ET)などの生殖補助医療技術(assisted reproductive technology : ART)の進歩は,多くの難治性の不妊カップルに福音をもたらしてきた.最近の日本産科婦人科学会の報告(2005年)1)によると,IVF-ETで新鮮胚を用いた成績では採卵成功率94.5%と良好であるが,移植当たりの妊娠率は30.4%にとどまっており,胚移植に対して着床障害が想定されている.着床率・妊娠率を向上させるには,着床障害に対して新たな視点からの診断・治療が望まれている.
着床障害への治療は,3種の病態,すなわち胚因子,卵巣黄体機能因子,子宮因子の異常に対する対応である.本稿では,着床障害に対する治療として子宮因子,特に「薄い子宮内膜」に関しての病態,およびそれらへの対応策について概説する.
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