今月の臨床 産婦人科臨床の難題を解く─私はこうしている
II 不妊治療
【一般不妊治療】
5.子宮内膜症合併不妊における卵巣チョコレート嚢胞の取り扱いは?
出浦 伊万里
1
,
原田 省
1
1鳥取大学医学部産科婦人科学教室
pp.463-467
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101728
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
1 はじめに
子宮内膜症は生殖年齢女性のおよそ10%に発生し,月経痛をはじめとする疼痛および不妊を主症状とする疾患である.近年,女性の晩婚化や少子化に伴い本症は増加傾向にあり,社会的関心も高い.子宮内膜症患者の30~50%に不妊症が合併するといわれているが,本症による不妊の発生機序はいまだ明らかではなく,チョコレート嚢胞の取り扱いを含め治療方針についてコンセンサスは得られていない.本稿では,現在までに得られている子宮内膜症合併不妊とチョコレート嚢胞に関するエビデンスを紹介し,その取り扱いについて解説する.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.