今月の臨床 新生児の蘇生と管理
新生児室での管理
5.院内感染防止策 Prevention of Nosocomial Infections in Nurseries
高橋 尚人
1
1自治医科大学総合周産期母子医療センター
pp.185-187
発行日 2008年2月10日
Published Date 2008/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101672
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正常新生児室での保菌と感染
新生児は正常の正期産児であっても免疫能は成人と比較すれば弱く,感染症が重症化しやすいこと,また新生児は集団で管理されている場合は集団感染が発生しやすいことに常に注意することが必要である.
本邦の正常新生児室のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)保菌率は,2000年に主要NICUに対して行われた全国アンケート調査では,保菌者なしが6/18施設(33.3%),1~24%が8/18(44.4%),25%以上が3/18(16.7%)であり,正常新生児室でもMRSA保菌児は皆無ではなかった1).また,NICUを持たない病院で出生した正常新生児の生後1か月のMRSA保菌率が40%を超えたとする報告もあり2),正常新生児室でもMRSA保菌はあり得る.しかし同時に,MRSA保菌新生児のほとんどで生後28週までに保菌が消失していることも示されており2),保菌したMRSAが将来にわたり常在するわけではない.
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