今月の臨床 新生児の蘇生と管理
新生児室での管理
4.搬送の適応
近藤 昌敏
1
1東京都立八王子小児病院新生児科
pp.177-183
発行日 2008年2月10日
Published Date 2008/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101671
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はじめに
新生児を搬送する方法としては,出生後に搬送する新生児搬送と,出生前に母体とともに搬送しておく母体搬送がある.周産期医療が普及するにつれ,ハイリスク症例に対しては母体搬送が主流になってきた.しかし,母体搬送が不可能な場合や,分娩中の経過で異常が発生したり,出生後初めて異常に気づくことも多く,新生児搬送はなくなることはない.新生児搬送の適応について主だったものを総論的に後述するが,実際には各地域のNICUの整備状況や個々の病産院の現状(医師数,看護体制,医療設備など)および小児科医師のサポート体制などによっても異なると思われる.また,早産・低出生体重児などは比較的判断しやすいが,多呼吸・嘔吐など曖昧な病態については判断が難しいことも多く,連絡が遅れたために児の予後にかかわることもある.したがって,いつでも相談できる良好な医療連携を日ごろから構築しておく必要がある.母体搬送が望ましい症例で母体搬送が不能である場合は,できる限り小児科医の分娩立ち会いが必要と考えている.
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