今月の臨床 新生児の蘇生と管理
新生児室での管理
2.ルーチンケア
長 和俊
1
1北海道大学病院周産母子センター
pp.151-154
発行日 2008年2月10日
Published Date 2008/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101664
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はじめに
多くの施設で分娩室の個室化と,早期あるいは完全母児同室化が進行しているため,新生児を新生児室に収容する機会は減少している.一方で,早期新生児期は多くのケアを必要とする時期であり,たとえ完全母児同室で管理中であっても,ケアが省略されるわけではない.そのため,「新生児室におけるルーチンケア」は,「早期新生児期におけるルーチンケア」と言い換えることができる.ルーチンケアとは「予定された時期に,予定されたケア項目を確実に実行すること」と考えられるため,チェックリストの使用に適している.同様に,ルーチンケアは新生児領域では一般的に使用が制限されるクリティカルパスの導入にも適していると考えられ,複数のクリティカルパスが公開されている1, 2).
しかし,疾患を持たない新生児に対するケアは地域・施設ごとに伝統的・経験的に構築されている部分が多く,またその有効性の判定が難しいため,EBM(evidence based medicine)が導入されにくい領域でもある.各施設の特異性を考慮しつつ,他施設の方法やエビデンスに目を向け,偏見を排して日常のルーチンケアを定期的に見直す姿勢が肝要である.
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