今月の臨床 産科超音波診断─正診への道筋
妊娠中・後期
7.癒着胎盤は診断できるか
大屋 敦子
1
,
中井 章人
1
1日本医科大学多摩永山病院産婦人科
pp.1053-1057
発行日 2007年8月10日
Published Date 2007/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101551
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はじめに
癒着胎盤は大量出血により母体死亡に至る可能性のある産科救急疾患の1つであり,前置胎盤とともに帝王切開率上昇に伴って増加傾向にある.米国の2002年のACOG Committee Opinion 1)によれば,癒着胎盤はこの50年間で10倍に増加しているという.癒着胎盤は,以前は分娩第3期に胎盤剥離困難であることからはじめて気づかれることも多かったが,近年では超音波診断により分娩前に診断される例も増加している.母児の予後改善には,早期診断,十分な血液準備,分娩様式と術式の検討を行うことが不可欠である.
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