今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション
ここが聞きたい105例の対処と処方
IV 感染症
【クラミジア】73.非妊娠時および妊娠時において,クラミジア検査が陽性であった子宮頸管炎の患者です.
野口 靖之
1
1愛知医科大学産婦人科
pp.572-573
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101506
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1 診療の概説
クラミジア・トラコアマチス(クラミジア)による子宮頸管炎は,最も罹患率の高い性感染症であり,10歳代後半~20歳代の若者が罹患者の大部分を占める.本疾患は,自覚症状として帯下の増量や軽度の下腹部痛を認めるが,ほとんどの症例が無症状であり,治療せず放置されることも多い.このため,性器クラミジア感染症を疑ったら積極的に検査を行い,早期発見し治療する必要がある.さらに,妊婦がクラミジア子宮頸管炎を合併すると,産道感染による新生児肺炎や新生児封入体結膜炎を発症するので,妊婦健診でクラミジア・スクリーニング検査が行われるようになった.性器クラミジア感染症の診断と治療後の効果判定は,妊娠時,非妊娠時ともに子宮頸管擦過検体を採取し(図1),遺伝子診断法により行う.
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