連載 病院めぐり
松江市立病院
佐藤 宗保
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1松江市立病院
pp.846
発行日 2007年6月10日
Published Date 2007/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101402
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松江市立病院は昭和24年に料亭「望湖楼」の建物を買収してそのまま病院とし,わずか30床の松江市民病院として誕生しました.当初は内科,外科,産婦人科,小児科,皮膚泌尿器科の5科でした.昭和31年に「松江市民病院」を「松江市立病院」と名称変更し,昭和34年には100床の当時としては珍しい鉄筋建設病棟を竣工しました.その後も何度か増改築を繰り返し,昭和54年には診療科16科,病床数476床の総合病院になりました.しかし,建築してから40年以上経ち老朽化が目立つようになり,平成17年8月に市街地の南のはずれ,小高い丘の上に新病院が建設されました.地下1階,地上8階,免震構造,電子カルテシステムを備え,緩和ケア病棟,救急病棟を持つ病床数470床,診療科27科の病院になり,常勤医は70名,研修医は10名です.
松江市は島根県の県庁所在地で,人口は約20万人弱,宍道湖のほとりにある風光明媚な城下町です.旧病院は前身の名のごとく,湖に面した景観の素晴らしい病院で,7階の医局から朝にはシジミ取りの何十艘という小舟の眺めを,夕には日本一とされる宍道湖のきれいな夕日を楽しむことができ,心が洗われたものです.新病院も古墳に隣接し,宍道湖,そして湖沿いの市街地が一望でき,一般市民もこの眺めを求め8階の食堂にわざわざ食事に来るといいます.
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