連載 OBSTETRIC NEWS
妊娠中の細菌性腟症
武久 徹
1
1武久レディースクリニック
pp.750-751
発行日 2007年5月10日
Published Date 2007/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101394
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細菌性腟症は外来で非常によくみられる疾患である.臨床的な診断基準は以下の4つの項目のなかの3つ以上が該当することである.すなわち,(1)異常な灰色帯下,(2)腟内pHが4.5以上,(3)アミンテスト陽性,そして(4)上皮細胞の20%以上がクルー細胞であること,である.
非妊婦では,細菌性腟症は生殖器の感染(例 : 骨盤内炎症性疾患,婦人科処置後の感染,HIVと2型単純ヘルペス感染)と関連がある.人工妊娠中絶または子宮摘出術前に治療をすることによって,術後感染性合併症のリスクを有意に減少させられる(Sex Transm Dis 28 : 292, 2001).治療後,3か月以内に多ければ30%が再発する(Sex Transm Infect 80 : 8, 2004).性交相手を治療しても予防効果はないことが報告されている(BJOG 95 : 920, 1988/Genitourin Med 73 : 267, 1997).
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