今月の臨床 ピル─エビデンスに基づいて新ガイドラインを読み解く
ピルの副効用(利点)と新ガイドライン─エビデンスに基づく解説
4.機能性卵巣嚢胞,良性卵巣腫瘤
綾部 琢哉
1
1帝京大学医学部産婦人科
pp.1482-1485
発行日 2006年12月10日
Published Date 2006/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101330
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機能性卵巣嚢胞
1. 機能性卵巣嚢胞とは
成熟卵胞の卵胞壁が破裂せずに卵胞が残存したものを卵胞嚢胞,嚢胞化した黄体を黄体嚢胞と呼び,新生物ではないため,機能性卵巣嚢胞と総称される.慣習上,直径30 mm以上に達したものを病的と定義している例が多いが,20 mm以上のものを検討の対象としている文献もある.
アメリカにおいて1976年から1986年の間に,機能性卵巣嚢胞により入院を要した15歳から44歳までの女性の1年間当たりの推測値は,10万人当たり472~522人で,30歳代,40歳代の女性のほうが10歳代,20歳代の女性よりも頻度が高いという1).
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