今月の臨床 ピル─エビデンスに基づいて新ガイドラインを読み解く
ピルの副効用(利点)と新ガイドライン─エビデンスに基づく解説
3.多毛,にきび
坂田 正博
1
1大阪大学医学部産科学婦人科学
pp.1478-1481
発行日 2006年12月10日
Published Date 2006/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101329
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はじめに
平成17年12月に低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)が日本産科婦人科学会編として発表された.そのなかにも,ピルの副効用(利点)として11頁に尋常性痤瘡(にきび)について,「小規模な無作為試験では,ピルの使用によって痤瘡病変が有意に軽減することが報告されている」との記載がある.また,逆にピルの副作用として,同ガイドライン9頁の表5にピルの副作用頻度として,にきびが0.1~2.9%との記載がある.本稿では,「ピル─エビデンスに基づいて新ガイドラインを読み解く」という特集のもとに,ピルの副効用(利点)の多毛,にきびの解説を行う.
男性ホルモンであるアンドロゲンは,卵巣と副腎で産生され,その過剰産生は,多毛,にきび(尋常性痤瘡),無月経,男性化徴候を呈する.そのなかでも,多毛がアンドロゲン過剰の場合に最初に出現する症状である.
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