今月の臨床 エイジングと生殖医療
高齢不妊女性治療の工夫―私はこのようにして成功率向上をめざしている
矢野 浩史
1
,
大橋 いく子
1
,
久保 敏子
1
1医療法人矢野産婦人科IVFセンター
pp.1380-1383
発行日 2006年11月10日
Published Date 2006/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101310
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
胚孵化法(assisted hatching)
加齢により透明帯の硬化(zona hardening)などの変化が惹起され,胚の孵化過程(hatching)が障害されると考えられている.胚孵化法(assisted hatching)は透明帯の一部を切開する,あるいは穴を開けるなどの処置を施して孵化を促進し,移植胚の着床率改善をはかるために考案された技術である1).assisted hatchingの方法は透明帯開孔法(zona opening)あるいは透明帯菲薄法(zona thinning)などであるが,最近は半導体レーザー(1.48μmm diode laser)を用いたレーザー法(laser assisted hatching:LAH)2)が普及している.半導体レーザーの光線は赤外線領域にあり,細胞のDNA障害を起こしにくいため,安全性が高いと考えられている.しかも大量生産が可能で,従来のレーザー装置に比べて安価である.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.