今月の臨床 ここが知りたい─婦人科がん化学療法
卵巣がん
2.セカンドライン化学療法の現況と問題点
杉山 徹
1
1岩手医科大学医学部産科婦人科
pp.1251-1255
発行日 2004年10月10日
Published Date 2004/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100645
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はじめに
卵巣癌における初回化学療法は,カルボプラチン(CBDCA)/パクリタキセル(TXL)併用療法(TJ療法 : TXL 175 mg/m2+CBDCA AUC 5~6)が広く標準的レジメンとして導入されている.毒性によってはドセタキセル(TXT),組織型(明細胞腺癌)によってはイリノテカン(CPT─11)も使用される.
しかし,IIIc期のように大きな腫瘍を有する例では80~85%,小さな腫瘍を有するIIIa~b期でも60~70%が再発する.また,ハイリスク早期癌では20%,ローリスク早期癌でも10%が再発する.すなわち,卵巣癌全体でみると約62%がセカンドラインの治療が必要になると考えられている.現時点で,本邦で推奨される治療法を図示した(図1).
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