連載 病院めぐり
いわき市立総合磐城共立病院
矢野 正浩
pp.822
発行日 2004年6月10日
Published Date 2004/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100548
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福島県は南北に走る阿武隈高地,奥羽山脈により,太平洋岸から浜通り・中通り・会津の三地方に区分され,気候も文化も大きく異なります.浜通りの南部,いわき市は,豊かな海と温暖な気候から「東北の湘南」と呼ばれることもあります.当院はいわき市のほぼ中央に位置しており,昭和25年に内科・外科・産婦人科の3科,病床数50床で開設されましたが,現在では病床数893床,診療科22科,3次救命救急センターを併設する浜通りの医療の中心となっています.産婦人科の病床数は産科27床,婦人科43床であり,常勤医4名,研修医1名で診療に当たっています.
産科においては,浜通り唯一の地域周産期センターであること,未熟児・新生児科が独立しNICUが充実していることから,福島県のみならず宮城県南から茨城県北の太平洋岸の高次周産期医療のセンター的役割をしています.新生児科医師とのカンファレンスを毎週行い,ハイリスク妊婦や出生後の児の経過などの情報を交換し周産期管理にフィードバックしています.また病病・病診連携を密にすることにより,ハイリスク妊婦を早めに紹介していただくようにしていますが,それでも2003年には98例の緊急母体搬送がありました.2003年の分娩数は668例で,そのうち帝王切開は257例(38.5%)とハイリスク妊娠の多さを物語っています.
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