連載 Estrogen Series 59
エストロゲン+プロゲステロンが更年期後女性の脳卒中発生に及ぼす影響
矢沢 珪二郎
1
1ハワイ大学
pp.86-87
発行日 2004年1月10日
Published Date 2004/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100508
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- 文献概要
昨年7月,米国医師会雑誌(JAMA)に発表されたWomen's Health Initiative Studyの更年期後女性に対するRandomized Control Trial(RCT)の結果は,全世界にショックを与えた1).そのなかで,エストロゲン+プロゲステロン(E+Pとここでは略す)の使用は,5.2年にわたる追跡期間中に,(50~79歳の)更年期後女性の脳卒中発生率を1.4倍高めるという結果があった.今回ここにご紹介する論文は2003年5月のJAMA誌上に発表されたもので,脳卒中(stroke)に関するデータをさらに詳細に分析したものである.
その背景
ホルモンの使用と脳卒中(stroke)の関連はピル使用者に脳卒中が多いとの報告からすでに示唆されていた.しかしその関連は,あるともないとも確定されず,一定した結論はなかった.健康な更年期後女性でE+Pが脳卒中を増加させることを(RCTにより)はじめて明らかにしたのは上記のWHIが最初である.
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