今月の臨床 不妊の原因を探る
黄体機能
15.プロゲステロン,エストロゲン値
深谷 孝夫
1
Takao Fukaya
1
1東北大学医学部産婦人科
pp.1190-1192
発行日 1993年10月10日
Published Date 1993/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901475
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不妊症の診断とその評価には,内分泌学的検索が重要な評価法の一つである。卵胞期の内分泌検索は卵胞の発育過程を検討する上で欠かせないが,黄体期においても卵胞の発育状況や着床環境の評価を行うことは,次周期の治療法の検討にとり有用である。すなわち,黄体機能は卵胞の発育状態により左右され,排卵障害やいわゆる黄体機能不全が認められる不妊症症例においては,正常周期黄体期のホルモン動態を考慮しつつ治療することが必要である。着床と言った観点からは,黄体期のエストロゲン/プロゲステロン比が適切であることが望ましく,とくに卵巣刺激周期ではエストロゲンおよびプロゲステロンの測定のうえ,補充療法を行うことも臨床上必要であろう。本稿ではエストロゲン/プロゲステロンの正常周期中の推移,黄体機能不全症例の推移,卵巣刺激中の推移について述べる。
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