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京都市立病院の前身は明治15年に設立された伝染病対策病院で,昭和40年,京都市中央市民病院と市立京都病院を統合し,現在の地(西大路五条)に設立されました.病床数は586床で,産婦人科は39床です.平成4年には新棟の完成,オーダリングシステムを導入し,平成11年にはシステムが更新され,高度専門的医療の充実を目指しています.自治体病院として行政的医療である感染症医療,小児救急を含めた救急医療も行っており,「市民に信頼され,安心できる,心のこもった医療を提供します」という理念を掲げ,患者さんの目線に立った,満足度の高い医療サービスに取り組んでいます.平成17年には日本医療機能評価機構認定病院に認定されました.京都大学と京都府立医科大学の人材を主体に,創立時からバランスの取れた病院運営が行われています.1患者,1 ID・1カルテを取り入れていた病院はその頃の日本では珍しい存在で,プラスチックカードの診察券を使い始めた日本最初の病院でもあります.
産婦人科の診療体制は,外来は3診制(新患,再来,妊婦健診)で平均80名の患者さんを診察し,午後2時よりコルポ診,子宮内視鏡,HSGや超音波検査などを中心に診療しています.入院病床は39床で,産科は20床,小児科管理の未熟児室10床が隣接し,周産期救急医療体制のもと可能な限り母体搬送も受け入れています.分娩数は減少傾向にあり年間約300件で,帝王切開術は約20%です.夫の立ち会い分娩を行っています.婦人科は19床で,良性の開腹術が年間約100件,悪性腫瘍の手術は広汎子宮全摘や拡大子宮全摘など子宮,卵巣を合わせて約30件あり,子宮頸癌症例(CIS,CIN含む)での円錐切除やAT,VTが約20件です.良性疾患に比し悪性腫瘍関連の手術が比較的多く,最近は子宮体癌が増加しています.また,積極的に腹腔鏡下手術も行っています.婦人科腫瘍の治療として化学療法を積極的に行っていますが,2003年4月より新しい腔内照射装置(イリジウム192を線源とするマイクロセレクトロン)が導入され,放射線治療症例の紹介も増えています
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