今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識
Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療
2.妊娠合併症の治療と注意点
[消化器系疾患] 胆嚢炎
香川 秀之
1
1関東労災病院産婦人科
pp.562-563
発行日 2005年4月10日
Published Date 2005/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100272
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1 診療の概要
急性胆嚢炎は,慢性胆嚢炎の経過中に生じる胆嚢壁の急性炎症で,主に胆石による胆嚢管の閉塞に,細菌感染などが加わって起こる炎症性疾患である.急性胆嚢炎の場合,95%以上の症例に胆嚢胆石の合併が認められ,胆嚢管閉塞の原因となっている.胆石の存在しない無石性胆嚢炎も稀ながらあるが,重篤な疾患を有する成人や小児に発症する傾向にある.また,胆嚢胆石のある患者がすべて胆嚢炎を起こすわけではなく,生涯無症状のことも多い.
妊娠中に急性胆嚢炎を合併する頻度は,文献的に0.8/1,000との報告があり,比較的稀な疾患である.
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