今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識
Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療
2.妊娠合併症の治療と注意点
[循環器疾患] 不整脈
根木 玲子
1
1国立循環器病センター周産期科
pp.510-512
発行日 2005年4月10日
Published Date 2005/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100254
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1 診断の概要
不整脈合併妊娠においては,不整脈そのものより,原因となる器質的心疾患の存在が問題となるため,必ず心エコーにより基礎疾患の有無の検索を行う.例えば,僧帽弁狭窄に伴う心房細動,心筋症における心室頻拍などである.また,甲状腺機能亢進に伴う心房細動も見逃してはならない.
不整脈は,直ちに治療を要する急性心不全,甲状腺クリーゼ,頻拍発作から,単なる機能的な洞性頻脈まで多種多様である.発作が長期化すると子宮胎児循環にも影響を与える可能性があり,すみやかな発作停止が求められる.
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