今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識
Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療
1.日常的な突発疾患の治療と注意点
[皮膚疾患,感染症] 帯状疱疹
金子 政時
1
1宮崎大学医学部附属病院周産母子センター
pp.478-479
発行日 2005年4月10日
Published Date 2005/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100242
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1 診療の概要
帯状疱疹は,水痘と同じvaricella─zoster virus(水痘─帯状疱疹ウイルス)が原因で発症する.初感染として水痘を発症したのち,三叉神経節や脊髄後根神経節に潜伏する.その後,宿主の免疫状態により再活性化し帯状疱疹を発症する.
症状は,通常,最初に痛みを伴って皮疹が出現する.この時期には表皮内にわずかに水疱が認められるだけである.その後4日目ごろには,水疱が目立ち,真皮まで病変が進んで潰瘍を形成する.6日目ごろには血管炎を起こしてくる.10日目ごろには明らかに潰瘍が形成され,14日目ごろには深い潰瘍がみられる.このころには,末端の神経が破壊され,それが強い疼痛を起こしてくる.好発部位は,胸髄領域,三叉神経第一枝領域である1).
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