今月の臨床 妊産婦と薬物治療─EBM時代に対応した必須知識
Ⅱ.妊娠中の各種疾患と薬物治療
1.日常的な突発疾患の治療と注意点
[皮膚疾患,感染症] 流行性耳下腺炎
金子 政時
1
1宮崎大学医学部附属病院周産母子センター
pp.476-477
発行日 2005年4月10日
Published Date 2005/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100241
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1 診療の概要
本症の臨床経過は,基本的には軽症と考えられている.2~3週間の潜伏期(平均18日前後)を経て,唾液腺の腫脹・圧痛,嚥下痛,発熱を主症状として発症し,通常1~2週間で軽快する.
RNAパラミクソウイルス科に属するウイルスが原因である.成人の80~90%が抗体を保有するため,成人には稀なウイルス感染症である.報告患者の年齢は3~6歳で約60%を占めている.妊婦が非妊婦と比較して流行性耳下腺炎が重症化しやすいということはない.また,胎児に奇形を起こしやすいとのエビデンスもない.
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