特集 感染症2020―冬のインフルエンザ・夏のオリンピックに備える
その他の注意すべき感染症
流行性耳下腺炎
神谷 元
1
1国立感染症研究所感染症疫学センター
キーワード:
流行性耳下腺炎
,
ワクチン
,
難聴
,
無菌性髄膜炎
Keyword:
流行性耳下腺炎
,
ワクチン
,
難聴
,
無菌性髄膜炎
pp.91-94
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_91
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Summary
▪流行性耳下腺炎(おたふくかぜ・ムンプス)は感染力が比較的強く,ウイルスの感染に伴う症状や合併症に対して特異的な治療はなく,重い合併症を発症する可能性がある.
▪小児の疾患に対してワクチンによる予防は非常に有効かつ効果的であるが,現在任意接種であるために接種率が低く,集団免疫効果が期待できない状況にある.
▪懸念となっているワクチンの安全性については,接種時期を調整することで副反応を減らせるという研究報告もあり,今後定期接種化されてワクチンによる疾病のコントロールが達成されることが期待される.
© Nankodo Co., Ltd., 2020