連載 病院めぐり
日本医科大学多摩永山病院
中井 章人
pp.702
発行日 2006年4月10日
Published Date 2006/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100122
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日本医科大学多摩永山病院は,日本医科大学の附属病院として昭和52年に設立されました.産婦人科(現 女性診療科・産科)は設立当初から診療科の1つとして設置され,以来,29年間が経過しています.
当院は,東京の中心から多摩川沿いに西へ約30 km離れた多摩ニュータウンに位置します.このニュータウン計画は,面積3,000 haに居住者およそ30万人を目標に約30年前に始まったものです.しかし,都内(23区)に比較し医療施設が少なく,特に周産期部門ではさまざまな問題を抱えた地区ということができます.周産期統計によれば,東京都の出生率,出生数は減少傾向にあり,合計特殊出生率は一昨年,過去最低を記録しています.しかし,群部を含めた多摩地区では,東京都全域の3分の1にあたる約3万3千の年間出生数があり,出生率も東京都の平均を上回る水準で,この数字は過去15年間減少することなく推移しています.この出生数の推移に対し,多摩地区において分娩を取り扱う産婦人科施設と医師数は減少の一途をたどり,産婦人科医師数は東京都全域で1,000分娩当たり約15名であるのに対し,多摩地区では約7名と,その半数にも満たない状況にあります.
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