原著
Isolated Epidermolytic Acanthoma
徳田 安基
1
Yasumoto TOKUDA
1
1市立岡谷病院皮膚科
1Department of Dermatology, Okaya City Hospital
pp.431-437
発行日 1973年5月1日
Published Date 1973/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201151
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56歳男子の腹部ほぼ全域に,米粒大よりアズキ大,孤立性,播種状の疣贅様皮疹があり,組織学的にEpiderrnolytic Hyperkeratosisの所見を認めた.第1回組織生検時,Epidermolytic Hyperkeratosisを認め,真皮中下層にEpidermal cysteを認め,起毛筋に隣接し,あたかも毛嚢あるいは毛嚢漏斗部に関係ある所見と考えた.
第2回生検所見では,毛嚢またはその附属器に関係ある所見は得らなかつたが,一つの表皮索に変化が限局し,健皮を問に入れ,同様な変化が連続し,あたかも蕾状の像を呈し,一つの表皮索に始まつた変化が連続して一つの臨床像を作る可能性があるという意見に賛同した.
本症例の光顕所見にあわせて,先人の電顕的および文献的検索をし,本疾患が,分類上Epidermolytic Hyperkeratosis類の非遺伝性,孤立形に属し,しかもその播種状であることに賛同した.
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