症例検討会 骨・軟部腫瘍18例
症例6—左母指球部腫瘍
竹崎 徹之
1,3
,
大野 藤吾
1,3
,
安田 寛基
2,3
,
小坂井 守
2,3
1帝京大学整形外科
2帝京大学第二病理
3日本整形外科学会骨・軟部腫瘍研究会
pp.474-475
発行日 1979年5月25日
Published Date 1979/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908575
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41歳,男.昭和40年9月左母指球深部に腫脹,疼痛出現し病巣切除術を受け昭和41年7月局所再発および左上肢皮膚に米粒大結節数コ出現して左肩甲胸廓間上肢切断術施行,昭和42年12月頭部皮膚の米粒大結節切除を行う.昭和52年12月,当科初診時,頭部,頸部,右大腿の皮膚に米粒大結節出現.X-Pで左大腿深部に骨を侵す病巣および右肺に転移様陰影が認められた.昭和53年2月皮膚および左大腿深部の病巣切除術施行.大腿深部病巣は灰白色肉芽組織様で侵蝕された骨の表面は硬かつた.標本は今回の切除材料から提出したが組織学的に原発巣と基本的には同じであつた.
組織学的所見:原発巣は円形または類円形のやや大型な細胞の異型増殖で線維性組織が入り込み血管成分も多く,一見肉芽腫様外観を呈するところがある.今回の切除標本は比較的大型の核小体の明瞭な円型また類円型細胞が密集増殖し,ところにより小空胞を形成しまたは管腔をとりまくように類上皮様に増殖している.
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