Japanese
English
臨床経験
母指球部皮膚を用いた新しい知覚皮弁
Free Radial Thenar Flap
面川 庄平
1
,
水本 茂
1
,
岩井 誠
1
,
福居 顕宏
2
,
玉井 進
2
Shohei Omokawa
1
1奈良国保中央病院整形外科
2奈良県立医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, National Insurance Union Medical Center of Nara
キーワード:
母指球部皮膚
,
thenar skin
,
橈骨動脈浅掌枝
,
superficial palmar branch of the radial artery
,
橈骨神経浅枝
,
superficial branch of the radial nerve
Keyword:
母指球部皮膚
,
thenar skin
,
橈骨動脈浅掌枝
,
superficial palmar branch of the radial artery
,
橈骨神経浅枝
,
superficial branch of the radial nerve
pp.1285-1290
発行日 1994年11月25日
Published Date 1994/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901507
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抄録:手指の知覚再建に,模骨動脈浅掌枝を栄養動脈とする母指球橈側部の皮膚を用いた新しい知覚皮弁を考案した.皮弁の支配神経は橈骨神経浅枝の分枝である.知覚獲得の可能な範囲は母指球橈側部の約3×5cmであるが,橈骨動脈弁皮と連続させてさらに大きな皮弁を採取することができる.今回,2症例に対して本皮弁移植を施行した.症例は21歳,18歳の男性で,いずれも有茎皮弁術後の母指および示指の知覚再建を目的に本皮弁を遊離移植した.皮弁の大きさはそれぞれ5×15cm,3.5×5cmで,神経は指神経に縫合し橈骨動脈を同時に再建した.術後平均13カ月の現在,S-W testで3.22(blue),m-2PDで平均5mmと知覚回復は良好である.本皮弁の利点は,皮膚の構造が指腹部と類似していること,皮弁採取部には機能障害が残らないこと,足からの遊離皮弁と比べて手技的に容易であり患肢から採取可能なことなどであり,手指の知覚再建に新しい選択肢となり得る.
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