特集II Myelopathy・Radiculopathy
第3回脊椎外科研究会印象記
津山 直一
1
,
小野 啓郎
2
,
小野村 敏信
3
,
片岡 治
4
1東京大学整形外科
2大阪大学整形外科
3大阪医科大学整形外科
4神戸大学整形外科
pp.1168-1177
発行日 1975年12月25日
Published Date 1975/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908544
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Myelopathy,Radiculopathyの診断
第3回脊椎外科研究会においてはMyelopathy,Radiculopathyの診断についても多くの新しい研究発表が行なわれた.
Myelopathy,Radiculopathyともに比較的新しい疾患概念であつて,主として頸椎の変性性変化による脊髄または脊髄神経根の障害によつておこる病態であるが,その成因は明らかにされているわけではない.機械的な圧迫が脊髄や末梢神経に加わるためとする考え,動脈圧迫による動脈性阻血を重んずる考え,静脈圧迫による欝血を主因とする考え,圧迫除圧擦過などの反復する外傷による摩擦性神経炎(friction neuritis)的要素を主んじる考え,ひいては炎症性の因子の関与を考える考え方があり,おそらくこれらの総合が病態を複雑なものにしていると考えられるとともに,原因的治療を行ううえにはそれぞれの因子の大きさ,病変部位程度と病燥との相関が是非明確にされなければならないテーマとなつてくるのである.
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