特集 脊椎外科(第1回脊椎外科研究会より)
上位頸椎疾患(先天性奇形)
津山 直一
1
Naoichi TSUYAMA
1
1東京大学医学部整形外科学教室
pp.880-881
発行日 1974年11月25日
Published Date 1974/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908489
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頸椎上部から大後頭孔にかけての頭蓋脊柱結合部には腰仙椎移行部同様種々の奇形や移行形の存在がまれではない.しかし奇形や変形の程度と臨床症状や機能障害は一致しないことも多く,無症状から重篤な症状を来たすものまで多様であり,先天性奇形でありながら成人年齢になつて徐々に症状の出現することも稀ではなく,そのため他種神経疾患と誤診される可能性も少なくない.またその発現する神経症状も単に骨格奇形によるもののみでなく,小脳延髄下垂転位,脊髄空洞症,椎骨脳底血行不全そのほか脳延髄脊髄内に内在する病理所見を伴うこともあり,脳神経外科や神経内科との境界領域でもあり,診断上にも治療上にも種々の重要な問題を含んでいる.今回は東大整形外科で過去約10年間に経験した症例のうちの32症例を中心にいくつかの問題点を論ずることとする.
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