特集 脊椎外科(第1回脊椎外科研究会より)
頸椎損傷例に対するHalo牽引療法の改良点について
美馬 精一
1
,
山田 憲吾
1
,
山本 博司
1
,
手束 昭胤
1
,
米沢 元実
1
,
森 浩
1
,
和田 昇
1
,
北上 靖博
1
Seiichi MIMA
1
1徳島大学医学部整形外科学教室
pp.888-889
発行日 1974年11月25日
Published Date 1974/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908493
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我々はHalo法が頸椎損傷例に対し,観血的非観血的たるを問わず,一貫して整復,固定,機能訓練を安全かつ確実に行え得る一つの良い方法であると報告してきた.頸椎損傷5症例に対するHalo牽引治療の経験において,症例ごとに遂次本装置に技術的改良を加えてきた.今回はその改良点の実際について述べ,本法の治療的意義について検討を行なうこととする.
症例I:第5第6頸椎脱臼骨折例,脱臼頸椎に対し整復固定術を行なう際,特に,脊髄に対する術中での安全性と術後のより確実な整復位保持を考慮し,術前よりRancho方式によるHalo-Castを装着せしめその固定下における安全性のもとに前方固定術を行なうことができ,一応満足すべき成果をあげることができた.しかし,この手術の際Halo-RingとCastを結ぶ前方2本のRodが手術操作を妨げるのが一つの難点であつた.またこの方式のHalo-Castでは頸椎部の前後屈位を得さしめることがほとんどできなかつた.
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