Japanese
English
論述
輸血拒否患者(エホバの証人)に対する脊椎手術の経験
Spinal Surgery in Jehovah's Witnesses
細江 英夫
1
,
清水 克時
1
,
坂口 康道
1
,
西本 博文
1
,
野々村 諭香
1
,
森 敦幸
1
Hideo Hosoe
1
1岐阜大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Gifu University, School of Medicine
キーワード:
spinal surgery
,
脊椎手術
,
Jehovah's Witness
,
エホバの証人
,
blood transfusion
,
輸血
Keyword:
spinal surgery
,
脊椎手術
,
Jehovah's Witness
,
エホバの証人
,
blood transfusion
,
輸血
pp.965-971
発行日 2000年8月25日
Published Date 2000/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908387
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抄録:エホバの証人の信者は輸血を拒否するため,大量出血の起こりうる手術的治療は著しく制限される.また,脊椎手術においては予期せぬ急性大量出血の際,輸血の回避と救命を優先するがために脊髄への圧迫止血や不安定性が残ったまま閉創するなど神経麻痺の可能性も生じる.
体位,手術方法に関する十分な検討,熟練した手術手技などが出血量を減少させるのに重要である.一期的手術で可能か段階的手術にすべきかを決め,また許容出血量を算出し,それを超える場合には手術を中止することなどを説明しておく,麻酔医を交えた周術期における輸血,輸液等に関する綿密な打ち合わせを行い,インフォームド・コンセントを得ておく必要がある.2例の小児患者を含む5例の信者に対して,回路をつないだままの術前希釈式自己血輸血,術中回収式自己血輸血,低血圧麻酔,段階的手術などを駆使し,彼らの信仰を遵守しながら脊椎手術を行うことができた.
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