Japanese
English
臨床経験
腰椎に発生した多中心性類上皮血管腫の1例
Multicelltric Epithelioid Hemangioma of the Lumbar Spine : A Case Report
久田原 郁夫
1
,
大和田 哲雄
1
,
大河内 敏行
1
,
佐藤 巌
1
,
米田 稔
1
,
山崎 大
2
,
小林 晏
2
,
山本 利美雄
3
Ikuo Kudawara
1
1大阪厚生年金病院整形外科
2大阪厚生年金病院病理検査科
3大阪労災病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka Koseinenkin Hospital
キーワード:
epithelioid hemangioma
,
類上皮血管腫
,
multicentric
,
多中心性
,
lumbar spine
,
腰椎
Keyword:
epithelioid hemangioma
,
類上皮血管腫
,
multicentric
,
多中心性
,
lumbar spine
,
腰椎
pp.841-845
発行日 1997年7月25日
Published Date 1997/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908338
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抄録:稀な腰椎に発生した多中心性類上皮血管腫の1例を報告する.症例は19歳の男性で軽微な外傷後に出現した腰痛を主訴とした.画像所見は第3腰椎横突起の菲薄化と膨隆を示した.外科的切除の後,痛みは消失した.4年後に誘因なく腰痛が出現し,画像診断で第2腰椎椎体腫瘍と判明した,CT像は,椎体の膨隆と多胞性の辺縁硬化を伴う病変で画像診断による確定診断はできなかった.局所の動脈塞栓術の後,前方進入にて病巣掻爬,骨移植術を施行した.術後,40Gyの放射線照射を施行した.病理組織像は2つの病変とも同様で,多くの毛細血管,小血管が結節性に増殖し血管内皮細胞は上皮様の形態を示し,内腔へ墓石状に突出していた.腫瘍の間質は線維性で線維芽細胞が多く出現し炎症細胞浸潤や出血もみられた,以上の所見より多中心性の類上皮血管腫と診断した.術後2年の現在,局所再発は認めていない.
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