ついである記・9
Mexico City
山室 隆夫
1,2
1京都大学
2国際整形災害外科学会
pp.84-85
発行日 1997年1月25日
Published Date 1997/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908314
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●古代遺蹟への思い
どういうわけか,人は齢をとるにつれて人類の起源や古い文明の盛衰などについて考古学的な好奇心を強めていく傾向がある.そして,考古学的な発見や遺産が謎に包まれていればいるほど「夢がふくらむ」などと言って喜ぶのは不思議である.最近,中国の長江上流の龍馬古城で発掘された古代都市の遺蹟は紀元前4,500年頃のものとされ,極めて古いがゆえに謎が多く,夢がふくらむのも当然であるが,メキシコにある遺跡の多くはそれほど古いものでもないのに,その歴史的な姿が謎に包まれているために別の意味で大変興味深い.
私の古い友人であるDr. Leonardo Zamudioはメキシコ市に住む富豪であるが,1990年から1993年まで国際整形災害外科学会(SICOT)の理事長を勤めた著名な整形外科医でもある.彼は少し変った趣味を幾つか持っている.その一つは,自分のデザインでいろいろなメダルを作り,それを友人や学会等に贈ることである.私の家内も含めて多くの婦人が彼から大変美しいデザインのペンダントを贈られており,また,新しく創設されたいろいろな学会の学会長のメダルも彼の寄贈によるものが多い.例えば,ヨーロッパ整形外科学会,汎アラブ整形外科学会,モロッコ整形外科学会などである.勿論,彼自身がメダルを作るわけではなく,そのデザインを考えるのが彼の趣味なのである.
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