整形外科英語ア・ラ・カルト・51
整形外科分野で使われる用語・その18
木村 專太郎
1
Sentaro Kimura
1
1那珂川病院
pp.82-83
発行日 1997年1月25日
Published Date 1997/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908313
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●fabella(ファベラ)
ラテン語で“faba”とは“豆”のことであり,その縮小語である“fabella”は“小さな豆”という意味である.この種子骨(sesamoid bone- セサモイド・ボーン)は,通常腓腹筋の外側腱の中にある.“fabella”の日本語訳には,単に“種子骨”だけのものと,“腓腹筋頭種子骨”と訳したものがある.“fabella”は人口の10~18%に存在し,膝のレントゲン撮影の側面像では膝関節の後部に,また前後像では大腿骨外果付近に観察される.この骨を骨折と間違うこともあるという.“fabella sign”とは,膝関節が炎症や腫瘍のために腫脹したときに,レントゲン撮影の前後像で,“fabella”が1~3mm後方に移動することをいう.
膝を120°に屈曲した場合,米国人の統計では,大腿骨と種子骨の正常距離は9mmであり,𦙾骨と種子骨間は13mmである.
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