Japanese
English
論述
慢性関節リウマチ3病型の自然経過に基づく膝関節の手術適応について
Indication of Surgical Treatment for Rheumatoid Knee
脇谷 滋之
1
,
越智 隆弘
1
,
大脇 肇
1
,
木村 友厚
1
,
小野 啓郎
1
Shigeyuki Wakitani
1
1大阪大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Osaka University Medical School
キーワード:
慢性関節リウマチ
,
rheumatoid arthritis
,
病型
,
disease subset
,
自然経過
,
natural history
,
膝関節滑膜切除術
,
synovectomy of knee joint
,
人工膝関節置換術
,
total knee replacement
Keyword:
慢性関節リウマチ
,
rheumatoid arthritis
,
病型
,
disease subset
,
自然経過
,
natural history
,
膝関節滑膜切除術
,
synovectomy of knee joint
,
人工膝関節置換術
,
total knee replacement
pp.907-913
発行日 1989年8月25日
Published Date 1989/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908161
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抄録:慢性関節リウマチ(RA)の自然経過により分類した3つの病型に基づいて,RAの膝関節に対する早期滑膜切除術および人工膝関節置換術(TKR)の成績および適応を検討した.対象は膝関節早期滑膜切除術またはTKRを受けたRA患者90例であった.軽症病型である少関節破壊型(LES)では早期滑膜切除術は臨床症状の改善がみられ良い適応であり,骨破壊の進行が少なくTKRに至る症例はなかった.重症病型である多関節破壊型(MES)では骨破壊が進み,早期滑膜切除術の効果が少なかった.この病型ではTKRに至る症例も多く,その適応の判断にはX線上の自然経過,全身の炎症反応および臨床症状などを考慮する必要がある.最も重症病型であるムチランス型(MUD)では骨破壊の進行は更に急速で全例TKRの必要が生じ滑膜切除術の適応はなかった.また,病勢を示す全身の炎症反応や自然経過の予後因子である血中CIq値は手術によって改善されなかった.
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