Japanese
English
臨床経験
レ線上第4頸椎にivory vertebraの像を呈し,頸部脊髄症をきたしたmonostotic Paget病の1例
A Case of Monostotic Paget's Disease with Cervical Myelopathy, Showing an Ivory Vertebra of the C4
佐々木 斉
1
,
原田 征行
2
,
藤沢 洋一
2
,
毛利 尚宜
2
,
銭谷 雅博
3
Hitoshi Sasaki
1
1大館市立総合病院整形外科
2弘前大学整形外科
3青森県立中央病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Ohdate Municipital Hospital
キーワード:
Paget's disease
,
ivory vertebra
,
頸部脊髄症
,
cervical myelopathy
Keyword:
Paget's disease
,
ivory vertebra
,
頸部脊髄症
,
cervical myelopathy
pp.843-847
発行日 1989年7月25日
Published Date 1989/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908149
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抄録:レ線上ivory vertebraの像を呈するいくつかの疾患が知られている.我々は第4頸椎に限局した骨硬化像があり,椎体と椎弓の骨肥厚によって脊柱管狭窄をきたして脊髄症を呈した症例を経験した.症例は38歳,男性で両上肢運動障害,歩行障害などの第5頸髄節以下の脊髄障害がみられた.単純レ線では第4頸椎の椎体から椎弓,棘突起に及ぶ均一な骨硬化像がみられたが,椎間板と椎体の高さは保たれていた.脊髄造影では第4頸椎椎体レベルで造影剤の通過障害がみられた.頸部脊髄症に対して椎弓切除術を施行した.麻痺は順調に回復し,術後約1年を経過したが,椎間板狭小化,椎体高の減少はなく,麻痺の悪化もみられていない.椎弓切除術で得られた椎弓の組織標本では不規則な石灰化前線がみられ,いわゆるモザイクパターンを示すものと考えられた.レ線像と組織所見からは本邦では比較的稀なmonostotic Paget病と考えられた症例であった.
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