Japanese
English
臨床経験
頸椎黄色靱帯石灰化症により脊髄症状を呈した1症例
A Case of Cervical Myelopathy Due to Calcification of the Yellow Ligament
若狭 雅彦
1
,
岡田 雄二
1
,
真鍋 英喜
1
,
立川 昌宏
1
,
久保田 政臣
2
,
安井 弥
3
Masahiko Wakasa
1
1広島共立病院整形外科
2松山赤十字病院整形外科
3広島大学医学部第一病理
1Department of Orthopedic Surgery, Hiroshima Kyoritsu Hospital
キーワード:
頸部脊髄症
,
cervical myelopathy
,
石灰化
,
calcification
,
骨化
,
ossification
,
黄色靱帯
,
yellow ligament
Keyword:
頸部脊髄症
,
cervical myelopathy
,
石灰化
,
calcification
,
骨化
,
ossification
,
黄色靱帯
,
yellow ligament
pp.1325-1330
発行日 1987年11月25日
Published Date 1987/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907731
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抄録:頸椎黄色靱帯石灰化により脊髄症状を呈した稀な1列を経験したので報告する.症例は,67歳女性で歩行障害と両手指巧緻運動障害を主訴として入院.現症として,四肢痙性不全麻痺を認め乳頭部以下に軽度の知覚障害を認めるも深部知覚障害はなく,日整会判定基準は8点であった.X線では,C5/6,6/7レベルの脊椎管後方に小豆大の石灰化様陰影を認めた.脊髄造影では同部位に一致して硬膜外圧排像を認め,Metrizamide CTではそれがより一層鮮明に描出されていた.このため頸椎黄色靱帯部腫瘤による脊髄症と診断し,昭和61年2月13日手術を施行した.C4からC7までen-blockに椎弓切除術を施行したところ,C5/6,6/7椎弓間部の腹側に腫瘤形成を認め,硬膜とは高度に癒着していた.組織及び成分分析では,燐酸カルシウムを主体とする黄色靱帯の石灰化であった.後術4ヵ月の現在,杖なしで歩行可能となり経過良好である.自験例を含め文献的考察を加え報告した.
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