Japanese
English
臨床経験
脱分化型軟骨肉腫の2剖検例
Two Autopsy Cases of Dedifferentiated Chondrosarcoma
土井田 稔
1,3
,
鵜飼 和浩
1
,
岩崎 安伸
1
,
水野 耕作
1
,
広畑 和志
1
,
岡田 聡
2
,
高橋 玲
3
,
前田 盛
3
,
杉山 武敏
3
Minoru Doita
1,3
1神戸大学医学部整形外科学教室
2神戸大学医学部附属病院病理部
3神戸大学医学部第2病理学教室
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, Kobe University
キーワード:
脱分化型軟骨肉腫
,
dedifferentiated chondrosarcoma
,
多臓器転移
,
metastasis to multiple organs
Keyword:
脱分化型軟骨肉腫
,
dedifferentiated chondrosarcoma
,
多臓器転移
,
metastasis to multiple organs
pp.799-803
発行日 1988年6月25日
Published Date 1988/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907894
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抄録:脱分化型軟骨肉腫(DDCS)の2剖検例を経験したので報告する.[症例1]:52歳,男性.右骨盤の原発巣は中分化型軟骨肉腫であったが,腫瘍摘出術術後約2年で再発し,再発巣は線維肉腫様あるいは悪性線維性組織球腫(MFH)様の像が主であった.剖検時,左大腿骨に分化型軟骨肉腫の転移を認めたが,他の転移巣は線維肉腫あるいはMFH様であった.[症例2]68歳,男性.右大腿骨骨幹部の原発巣は分化型軟骨肉腫,脱分化した部位ではMFH様であり,広範囲腫瘍摘出術術後約1年で局所再発及び全身転移の後に死亡した.剖検時,再発転移巣はMFH様で,分化型軟骨肉腫成分は見られなかった.2剖検例とも再発転移巣に分化型軟骨肉腫の像よりも線維肉腫あるいはMFH様所見がより優位であり,DDCSの治療には骨肉腫などの高悪性肉腫と同様に早期に診断を確定して,根治的外科療法をすべきと考える.
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