Japanese
English
論述
麻痺性股関節脱臼に対する腸腰筋後方移行術の検討
Posterior Iliopsoas Transplantation for Paralytic Dislocation of the Hip
沖 高司
1
,
石田 義人
1
,
村地 俊二
1
,
夏目 玲典
2
,
山田 正人
2
Takashi Oki
1
1愛知県心身障害者コロニー中央病院
2第一青い鳥学園
1Central Hospital of Aichi Prefectural Colony
キーワード:
腸腰筋後方移行術
,
posterior iliopsoas transplantation
,
麻痺性股関節脱臼
,
paralytic dislocation of the hip
,
脊髄髄膜瘤
,
myelomeningocele
Keyword:
腸腰筋後方移行術
,
posterior iliopsoas transplantation
,
麻痺性股関節脱臼
,
paralytic dislocation of the hip
,
脊髄髄膜瘤
,
myelomeningocele
pp.23-31
発行日 1988年1月25日
Published Date 1988/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907758
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抄録:腸腰筋後方移行術は麻痺性股関節脱臼に対して広く行われているが,股関節の安定化率の低さとか術後の階段昇降の困難性を指摘する報告もみられる.今回,我々は本手術を行った19例,28関節(脱臼20,亜脱臼8)について追跡調査(平均5年4ヵ月)を行い.臨床的.X線学的に検討を加えた.調査時の股関節のX線所見は脱臼8,亜脱臼8,形成不全5,正常7関節で,CE角,前捻角,頸体角はともに術前より改善された.手術による股関節の安定化率は43%で,安定群は不安定群に比し,術前のCE角,臼蓋角とも比較的良好であった.運動面では,股関節の外転力が2前後,伸展力が0〜3で,3例において実用的立位移動が確立されなかった.以上より,麻痺レベル高位例とか知恵おくれ等合併障害を有するものは本手術の適応と考えられず,手術に際しては,術前の状態に応じて,臼蓋形成術,関節縫縮術等を組み合せて,より安定した股関節にすることが重要である.
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