Japanese
English
論述
骨粗鬆症に対する活性型1α-OHD3の治療成績
Treatment of Osteoporosis with Active Vitamin 3
増田 武志
1
,
金田 清志
1
,
松野 誠夫
2
Takeshi Masuda
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
2美唄労災病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, Hokkaido University
キーワード:
骨粗鬆症
,
osteoporosis
,
自己免疫疾患
,
auto-immune disease
,
活性型ビタミンD3
,
active VD3
Keyword:
骨粗鬆症
,
osteoporosis
,
自己免疫疾患
,
auto-immune disease
,
活性型ビタミンD3
,
active VD3
pp.1349-1354
発行日 1987年12月25日
Published Date 1987/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907735
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抄録:老化には加齢による免疫系の異常が大きく関与している.老人性骨粗鬆症は骨の老化現象と考えられるので本症を免疫学的観点より検索することの意義は大きい.本研究は骨粗鬆症患者に活性型ビタミンD3 1α-OHD3を1年間1μgを投与し,その効果を主に免疫能の点より検討した.投与前PPD反応が疑陽性・陰性群で本剤投与後陽転化の傾向が認められた.また,自己抗体である抗DNA抗体陽性例は骨粗鬆度の軽いものにみられ,投与後陰性化した例が多かった.これらのことは骨粗鬆症にみられる細胞性免疫の低下および自己免疫機序の低下が活性型ビタミンD3によって正常化されることを意味している.本剤の効果を臨床的にみると除痛効果が1ヵ月過ぎより認められ,X線学的には骨量の有意の増加はなかったが骨量は維持されていた.以上のことより,活性型ビタミンD3は骨粗鬆症の治療において大きな役割を果たす可能性のあることを示唆している.
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